初恋の人を忘れることが出来ないというのはおかしなことではありません。
未練が残っているということだけではなく、もう好きではないけれどいつも素敵な思い出として甦ってくるということも含め初恋は忘れ難いものなのです。
恋愛というのは強烈な体験ですから初めてそういった状況に遭遇したときの印象が残りやすいということはあります。
しかしそれ以外にも初恋ならではの特徴があるのです。
初恋は脳の論理的な部分が発達する前の体験だから
人間の脳というのは生まれた後も発達を続けます。
0歳のときの脳と20歳のときの脳は違います。
何歳でその発達が止まるのかはハッキリしていません。
トレーニングをすれば死ぬまで進化させることもできるという人もいます。
ほとんどの人の初恋は若い頃です。
アンケートでも幼稚園、小学校、中学校時代が多いとされています。
この時期はまだ脳が完成形にはなっていません。
特に論理的に物事を判断する能力は未完の状態です。
この時期に人を好きになると自分の体の反応が理解できずに強烈な印象を残します。
ホルモンの分泌によりドキドキしたり他の人には抱かない感情が芽生えたりします。
大人であれば客観的な視点により「あの人のことを好きになったんだ」と判断できます。
しかし子供の頃はそういった判断をすることができませんからひたすらドキドキする体験となるのです。
大人になってから振り返れば説明できることではありますがそれを体験していた当時の感覚が強過ぎるため忘れることができないのです。
初めての快感の体験
初恋は成就しないからこそ忘れることが出来ないと言われることがあります。
しかし上手くいって恋人同士になり体の関係を持つところまでいっても忘れ難いものとなります。
上記の説明とも重なりますが恋愛中はオキシトシンやドーパミンなどが分泌されます。
これらの物質は人間に快楽や幸福感をもたらしてくれます。
脳内に「恋愛は気持ち良い報酬」という認識が出来上がるのです。
例えは悪いですが依存症の人が始めて薬をやったときと同じようなものといえます。
初恋は恋愛によって報酬系回路を活性化させた初めての体験ということになりますから強烈な体験として残るのです。
どのような形であったにせよ初恋を忘れることが出来ないというのは自然なことです。
また人間は過去の記憶を美化する傾向があります。
初恋は最も古い恋愛の記憶ですから素敵な思い出として残りやすいものでもあります。