人間は自分と似た人を好きになると言われています。心理学では「類似性の法則」などと呼ばれたりします。
恋人でも友人でも自分と似た人と一緒にいると安心するのです。似ていれば次の行動の予測がしやすいですし、同じ考えなら自分が肯定された気分になりやすいことが理由ではないかと考えられています。
とはいえ全てが似ている人同士など滅多にいません。
では実際に何が似ている人に惹かれるのでしょうか?
それを調べた研究を紹介します。
シラキュース大学の調査
米国シラキュース大学が「関係を構築するにあたり何が似ていることが重要か?」というアンケートを行いました。
キャリアや政治、趣味などに関する18項目を提示しそれらが似ていることがどれくらい重要かということを評価してもらったのです。
その結果、友人関係、短期の恋人関係、長期の恋人関係によって若干異なる結果が出ました。
恋愛において食べ物や音楽の趣味より大事なこと
それぞれの関係ごとに求める類似性(似ているポイント)は以下の通りです。
【友人関係において似ていることが重要な項目】
1.政治的立場
2.音楽の好み
3.食べ物の好み
4.映画の好み
5.キャリア目標
【短期の恋愛関係において似ていることが重要な項目】
1.政治的立場
2.食べ物の好み
3.音楽の好み
3.キャリア目標
5.映画の好み
【長期の恋愛関係において似ていることが重要な項目】
1.キャリア目標
2.政治的立場
3.旅行の好み
4.食べ物の好み
5.音楽の好み
※有効回答数:221名(女性124人男性97人)
それが似ているとアピールすることも大事
政治的立場が似ていることが重要視されていることに少し驚くかもしれませんが、アメリカ人を対象にしたアンケートなのでこういった結果となっています。(アメリカでは民主党と共和党のどちらを支持しているか若者でも気にする人がけっこういます)
他の項目については日本人でも感覚的に分かるものが多いのではないでしょうか?
重要視する項目にそれほど男女差はありませんでしたが、男性は女性よりもテレビゲームの趣味が似ていることを重視する傾向にありました。
好きな人にアピールするときはここで重要視される項目から類似性のあるものを探してそれをアピールすると良いかもしれません。
実際に似ているだけではなく、似ていると認識されることも好かれるためには必要なのです。
また、好意を持たれているときは相手もこちらに似せてくることも分かっていますから、脈アリ判断の参考にしてみてください。
参考文献
Stanislav Treger and James N. Masciale.(2018).Domains of Similarity and Attraction in Three Types of Relationships