心理学基礎用語:精神分析編一覧
イド、自我、超自我
■イド、自我、超自我
<id, ego, superego>
■イド(id)
「イド、自我、超自我」は、精神分析学者フロイトによって提唱された、精神構造を3つに分けた概念。
フロイトによると人間の精神構造は「イド、自我、超自我」から成り、その中でイド(id)とは、人の精神エネルギーの源泉に当たる。
イドは快楽原理に基づいて、本能のままに「今すぐあれがしたい」「これがしたい」という欲求を出して満足を求める。
■自我(ego)
このイドの上に存在し、理性的にイドをコントロールするのが自我(ego)である。
自我は本能的な欲求を現実にあった形にする役割や、その欲求をかなえるために必要なプランを立てるなどといった準備行動を作り上げる。
例えば、「嫌いな仕事でも家族の生活のためだ」と思い、仕事を続けることは自我の働きによるものである。
■超自我(super ego)
最後に、超自我(super ego)とは常に道徳的、意識的であろうとする部分である。
子どもは親から叱られたり褒められたりすることで、行動の善し悪しを学ぶ。
幼い頃は親の判断基準に従っているが、成長するにつれ「これをやっては他人に迷惑がかかるからやってはいけない」と自分で判断できるようになる。
この意識が超自我である。
超自我は自我の意識よりも強く、イドを律する。つまり、自我はイドと超自我の間に立つ調整役であり、三者の関係はそれぞれ自動車、ドライバー、交通法規になぞられることができよう。
エディプス・コンプレックス
■エディプス・コンプレックス
<Oedipus complex>
精神分析の基本概念のひとつ。
男児が異性である母親に愛情を、同性である父親に敵意を無意識のうちに向けるという感情のこと。
エディプス・コンプレックスという名前は、ギリシャ神話『エディプス王』に由来する。
エディプス両親ライウス王と王妃イオカステは、「息子が父親を殺し母親を妻にする」という神のお告げを聞く。
王は生まれたばかりのエディプスを山中に捨てさせた。エディプスは助けられ、他の国で王子として育てられる。
青年となった彼は、出生の真相を知ろうと神殿に出かける。そこで「実の母と交わり、実の父を殺す」という神託を聞き、その事態を避けるべく、放浪の旅に出た。
その道中で出会った一団といざこざを起こし、相手を殺害してしまう。それがライウス王だった。
スフィンクスを倒した彼は、空席の王位に就き、実母と結婚したのだった。。。
その後、真実が明らかになった時、ショックから王妃は自殺し、エディプスは両目を刺し貫き盲目になったという。
エレクトラ・コンプレックス
■エレクトラ・コンプレックス
<Erectra complex>
ユングが女児におけるエディプス・コンプレックスを表す用語として使用した。
3~6歳の女児が父親に愛情を感じ、母親へのライバル心を持つことで起こる心の葛藤のこと。
エレクトラはギリシャ神話に登場するアガメムノンの娘である。
ギリシャ軍を率いてトロイ戦争に彼が出征している間に、妻のクリュタイムネストラは敵のアイギストスと通じてしまう。
そして、共謀して凱旋してきたアガメムノンを浴室で殺害する。
その後、アイギストスはエレクトラを貧農のもとにあずけて追い出すが、彼女は弟と共に父の仇を討ったのだった。。。
母親は許しを請う際に、かつて彼女らの口にふくませた乳房を見せたという。
エロス
■エロス
<eros>
哲学的には、神の愛(アガペ)と知性(フィリア)に対峙する人間の愛を意味し、プラトンによると自己に欠けているものを得ようとする自己実現の愛であって、肉体的愛をも意味していた。
一方、精神分析
では人間の欲動の一つとして捉える。自ら積極的に苦悩を求めたり、敵意や攻撃心など死へと向かう死の本能(タナトス)に対立する生の本能とした。
参考: フロイトの精神分析療法
カタルシス
■カタルシス
<catharsis>
苦痛や悩みなどを言葉にして表現するとその苦痛が解消されることを指す精神分析用語。
苦痛を発散し、解消することをができないと、心身症などの身体現象や、家出、暴力、自殺などの行動現象、不安やノイローゼなどの心理現象などの問題行動として表れる場合もあると考えられている。
参考: フロイトの精神分析療法
快楽原理
■快楽原理
<pleasure principle>
快楽を求め、苦痛を避けること。
人間が最大の効用のあるものを求めようとする行動の原理。
フロイトにおいては、緊張の高まることが不快でその緊張を解消することを快と見なされる。
参考: フロイトの精神分析療法
去勢不安
■去勢不安
<castration anxiety>
フロイトの考えた発達段階のひとつで、男根期に幼児が抱く、ペニスが切り取られるのではないかという空想からくる不安のこと。
男根期に幼児は性器の違いに大いに関心を持つ。
そして、身体的相違について「女児は本来あったはずのペニスが去勢されたのだ」という空想を抱き、同時に不安を抱える。
また、この時期はエディプス・コンプレックスが最も強く、敵意を持ったために父親から去勢されるという不安を持つのである。
参考: フロイトの精神分析療法
元型:アーキタイプ
■元型:アーキタイプ
<archetype>
ユングの提唱した概念。
フロイトが無意識を個人的なものに限って考えたのに対し、ユングはさらにその底に人類共通の生来的な無意識のそうがあると考えた。
これを「集合的無意識」と呼んだ。そして、それが意識化されるとき、ある種の類型化されたイメージとなって現れる。
そして、それが意識化されるとき、ある種の類型化されたイメージとなって現れる。この潜在的なイメージのパターンが元型である。
代表的なものとして、外界に適応するために個人が他者に見せる態度や顔である。
「ペルソナ」、男性における女性のイメージの「アニマ」、女性における男性イメージの「アニスム」などがある。
アニスマとは本来ラテン語で、<魂><風><呼吸><心><生命>を意味する。
コンプレックス
■コンプレックス
<complex>
精神分析的概念で、無意識に抑圧されている、自我を脅かすような心的内容が一定の情動を中心に絡み合って構成されているまとまりのこと。
一般的に「コンプレックス」と呼ばれているものは、劣等感コンプレックスというもので、本来コンプレックスは劣等感だけを示すものではないのである。
ライフスタイル
■ライフスタイル
<life style>
アドラーの提唱した用語。
個人の持つものの見方や考え方、生き方を指す。
すなわちその人独自の人生における目標志向性や、自己決定を表すものである。
それは、固定的なものではなく、その時その時の行動の中に表され続ける、態度の集合体であると考えられる。
劣等感
■劣等感
<inferiority complex>
アドラーの概念。
彼によれば、劣等感とは自分の理性と現状評価とがかけ離れているという主観的な感覚のこと。
したがって、自分と他者を比べて、相対的に見て劣っていると思う感情とは異なる。
彼は、人間の行動の根源的エネルギーは劣等感を補償することに由来するとした。
深層心理
■深層心理
意識に表れない無意識のこと。
元々はフロイトの精神分析で用いられていた概念であり、無意識が潜在的に意識をコントロールし、人間の行動や判断を決定するというもの。
深層心理を構成しているのは記憶だということで、思い出せる記憶が意識、思い出せない記憶が無意識なのだろうか?
