ユング

■ユング
<C.G.Jung;1875-1961>
 
フロイトによって誕生した精神分析学は、当初フロイトが主張していた理論とはまた異なる形で大きく展開していきました。
 
日本でも人気のあるユングは、チューリッヒの精神病院に勤務する医師としてフロイトと知り合い、無意識という理論に感銘します。
 
そして、フロイトと親しい親交をもつことにより、やがて彼のリビドー(性衝動)と無意識への思想的な違いにより訣別することになります。
 
二人の考えたリビドー(性衝動)と無意識の決定的な違いは、フロイトのいうリビドーは、性的なものに限定されていたのに対して、ユングにとってのリビドーはもっと幅広い、心的エネルギーを指していたことです。
 
無意識については、フロイトは個人的で後天的な無意識(コンプレックス)を重視したのに対し、ユングは人類に共通する普遍的な無意識(元型)があるはずだという「集合性無意識」の考え方をとったことです。
 
ユングはその元型を突き詰めようとして、世界中の神話や古代思想に答えを求めるようになっていきました。
 
錬金術、チベット仏教、道教、善の瞑想など東洋の思想は、彼に大きな影響を与えたとされています。
 
そして、彼自身精神的な危機状態を体験し、それを乗り越えたことで彼独自の「分析心理学」の基本を確立するに至るのです。
 
ユングの心理学は日本でも受けが良く、一般の人々の間でも人気があります。
 
しかし、大学の心理学科などでアカデミックな心理学を学ぶとなると、正面切ってユングの心理学に取り組む機会はあまりないかも知れません。
 
人間をより深く、多面的に理解する上では有用な面があるとしても、ファンタジーやオカルトといった印象が持たれているのではないでしょうか?